CEO(最高経営責任者) 菅原 悟 メッセージ
Made in Japanの経営
かつて日本では自動車も電気製品もまともに良いものが作れませんでした。かつてMade in Japanは安っぽい粗悪品を意味する蔑称でした。更にさかのぼれば、それらを自国生産することなど夢のまた夢、全て輸入に頼っていた時代もあります。こんな状況を安易に受け入れることなく、わずか数十年で、勇気と知力をもって挑戦し続けた経営者が日本製品を世界中から信頼されるMade in Japanブランドに仕立て上げました。
翻って昨今の日本の経営はどのような状況でしょうか。経営者は盲目的に欧米流の論理や仕組などをまねるだけで独自性に乏しい。経営コンサルタントは経営手法を欧米からの輸入に頼り、翻訳し、クライアントに提供するのみ。これ程物質的に豊かになった日本で、実は経営自体はまだまだ自国生産できていない状況です。もちろん欧米の手法を無視せよということではありません。お互いに切磋琢磨しながら、世界をリードする立場にいる日本の経営者が、我々の歴史や経験を活かし、経営のあるべき姿を日本発で世界に発信することも必要ではないでしょうか。そして近い将来、Made in Japanの経営が世界中で称賛されるようになることを信じています。
事業の原理原則
歴史的に経験したことがない人口減少の時代に突入し、ITの発展に伴って膨大な情報が瞬時に世界を駆け巡り、かつて発展途上であった国々が政治的あるいは経済的なパワーバランスを変え、我々を取り巻く経営環境は荒波のなか目まぐるしく変化しているように見えます。そしてこの荒波に流され右往左往するか、またはこの荒波に上手く乗るかということが、現代の経営において重要視されているように感じます。上手く波に乗れれば勝者として称賛され、乗れなければ敗者となる。しかし波は常に一定ではありませんから、昨日の波に上手く乗れたからといって、今日の波に上手く乗れるとは限らず、昨日の勝者が今日の敗者となることもしばしばあります。それでは、果たして時代の波に乗ることが事業の永続的な真の成否を分ける条件なのでしょうか。もちろん波には常に注意を払わねばなりません。しかし果たしてそれが事業の本質なのでしょうか。近視眼的な成功を求めるのであればそれもよし。しかし本質的な成功を求めるのであれば、波はリスク管理の対象となるリスク要因に過ぎず、成功要因ではありません。
歴史の評価
明治の産業勃興の時代、昭和の経済成長の時代、バブルの時代、当時よりもむしろ時が経ち、それぞれの時代が正当に評価されるようになります。例え当時もてはやされていたことでも、時が経ち歴史的評価が真逆の判断を下すことがあります。例えば、バブル時代は楽して儲けることが良いこととされ、拝金主義者がはびこった時代です。その傍ら、真面目にコツコツと働くことが軽んじられ、Made in Japan品質の衰退が始まった時代でもあります。海外では日本人が下品に振る舞い嫌われました。果たして現代は、現代の経営者は、100年後どの様な評価を受けることになるのでしょうか。衰退していく日本を何もせず見守っていた時代、負の遺産を次世代に丸投げした時代、などと評価されないようにせねばなりません。
日本の発展を通じ、世界を発展させる人々 ‐ 偉大な経営者の存在
日銀が金利を上げようが下げようが、為替を円安に誘導しようがしまいが、政府が補助金を給付しようが、結局のところ経済の核となる経営者が良い企業を作り発展させなければ、この国の真の発展はありません。この国が発展していた時、それを牽引する偉大な経営者がいたことを我々は忘れてはなりません。そして、単なる回顧主義に陥るのではなく、過去の偉大な経営者を超える存在になること、現状のスタンダードを安易に受け入れず、常により良いものを求め革新することを志す、そんな挑戦的な経営者を多く輩出することがアライドコンサルティングの切なる思いです。そんな挑戦的な経営者とは、著名な会社経営者や経営幹部を指すのではありません。たとえ一人きりの後輩でも、指導すべき人がいる立場であれば、それら人々は全て経営者なのです。アライドコンサルティングは、そんな経営者の皆様と共に、日本の発展に貢献することを誓います。